感想文:「Chikirinの日記」の育て方
人気ブロガーちきりんさんが、ブログ運営の裏側を書いた『「Chikirinの日記」の育て方』を読んでみました。
Chikirinの日記は、ちきりんさんの深い洞察力や思考力が魅力のブログです。すでに人気ブログになった後にブログを読み始めたので、無名時代のブログ運営の裏側も知りたいと思って読み始めました。
1.「読者」の考え方
ちきりんさんは公開しない限り誰にも読まれることのない紙の日記の延長線上として、ネットで日記を書き始めました。ちきりんさんにとって日記に読者がいないことが当たり前なので、ブログ公開当初にはネット上で公開した日記に読者が現れたことにびっくりしています。
この読者に対する考え方が、収益目的のブログと大きくことなるところだと思いました。
収益目的のブログでは、読者は潜在的なお客様なので、読者ありきでブログが構成されています。一方で、ちきりんさんのブログは、あくまでもちきりんさんの日々考えている思考を記録した日記であり、読者がたくさんいるブログを目指して運営されているわけではありません。
読者ありきのブログだと、その時の人気に合わせてブログ記事の軸がぶれたりすると思いますが、Chikirinの日記ではそれがありません。
この読者の考え方が、Chikirinの日記と他のブログが差別化されている1つの要因だと思いました。
2.ブログの運営理念
ちきりんさんは、「Chikirinの日記」という場所を育てるという理念でブログを運営されています。そのため、「コンテンツをブログに集中させること」、「信用力を売らないこと」を大切にされています。
「コンテンツをブログに集中させる」ために、面白いコンテンツや最新の記事は他のサイトに分散させず、Chikirinの日記だけで公開しています。
記事を転載する場合は、アンケートはChikirinの日記だけで行うなど、面白いコンテンツはブログに集約されるように工夫されています。
「信用力を売らない」ために、ちきりんさんは他メディア出演や対談のオファーを安易に受けて広告塔にならないようにしているそうです。
コンテンツはブログに人が集まるコアの部分です。信用はブログに集まった人が留まるために大切な部分ですよね。この2つを大切にしてブログを育てていたから、今の魅力的なブログができあがったんだろうなと思いました。
3.面白いブログにするためのコンテンツ
ちきりんさんは「ワイドショーネタ」は書かないこと、好評な記事の後に投稿する記事が重要と書いています。
ワイドショーネタとは、芸能人の不倫や離婚などの話題です。話題なので多くの読者が集まるが、正義感を振り回す意見を書いてもサイトの質が上がらないからとのことです。
好評の記事の後は、初めてサイトを訪れた読者も含まれています。次の記事が面白いと、継続した読者になってくれます。面白くなければ、せっかくサイトに訪れた読者が1回で離れていってしまいまうからです。
好評の記事の後に書く記事を面白くして一見さんを常連にすることにも目を向けている一方で、その後の章では、
結局のところ私は、読者のためにブログを書いているのではなく、自分が楽しいと思えることを書いているだけです。
と書いています。
有名になって読者が増えて、もちろん読者を意識してブログを運営されていますが、「読者の考え方」は無名時代と変わっていなくて、自分が面白いコンテンツを作ることが根底にあるんだなと感じました。
感想
無名時代の「Chikirinの日記」運営の裏側を知りたくて読みましたが、無名時代から一貫した理念でブログを経営されていたんだなと思いました。
ちきりんさん自身が楽しいと思えるからこそ、無名でもブログを続けて、有名ブログに成長していきました。
結局は、自分が面白い、楽しいと思うことを継続することが、その作品(この場合ではChikirinの日記)が魅力的になって、結果的にファンがつくことになるんだなと思いました。
他にも、有名になって変わったことや収益額なんかも本で公開されているので、気になった方は是非一度読んでみてください。